福岡県のT様からの御依頼です。
「おばあちゃんからルビーの指輪を譲り受け、爪が折れているので、リフォームを。」とのご相談を頂きました。
画像をお送りいただくと、ちょっと気になる点があったので、思い切ってお尋ねしました。
「ご相談の内容にルビーと記載されていましたが、
もし、おばあさまから頂いた石がルビーではなくても、加工されるお気持ちは変わりませんか?
と申しますのは、ルビーでこれほど大きな石には、必ずと言ってよいくらい内包物が見受けられるのですが、
画像ではそれがわかりませんでした。
赤いスピネルは、しばしばルビーと間違われますし、合成石の可能性もあります。
せっかく譲り受けられた石にケチをつけるのではなく、
ルビーではない可能性のものをルビーと信じたまま加工されるより、
「おばあちゃんから貰った石」という気持ちを優先した方が、
後々ルビーじゃなかった!と判るよりよろしいかと。」
メールのやり取りの結果、石は鑑別することになりました。
指輪をお預りし、石を外して宝石鑑別機関へ。
結果は、合成ルビーでした。
昭和40年代前後、多くの合成宝石がジュエリーとして加工されました。
合成石は、その構成元素は天然石と同じ。
見た目は、天然石よりも綺麗。
「本物」と信じて購入された方も多いと聞きます。
そんな合成宝石なので、希少性で言えば天然の宝石には劣ります。
しかし、T様の石には、「おばあちゃんから譲り受けた石」という気持ちの価値があります。
そして、加工の御依頼を頂きました。
石の大きさは直径8mm。
存在感のある指輪になりそうです。
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「おばあちゃんのルビー」は、シンプルな普段使い出来るデザインに変身しました。
せっかく譲り受けた石だから、と、プラチナでのオーダーです。^^
プラチナに、綺麗な赤い色が際立って美しいです。
いつまでも大切に身につけることが出来ますね。